介護現場で働いているとよく知らない『言葉』を聞くことはありませんか?
働いてまもない時は、知らない言葉が多くて戸惑いました。
介護職として未経験・無資格から働いた方にとって『介護や医療の用語』は知らない言葉で戸惑いますよね。
また、実務者研修や介護福祉士の資格を取得した人も知らない用語があるはず。
介護職として働くうえで、利用者の健康を守るためには介護だけでなく医療に関する基礎的な知識は必須です!
実際の現場でよく使われる言葉を知っておくだけで介護職として働きやすくなります!
- 実践で役立つ介護用語
- 現場で使える医療用語
- 知っていればすごい介護用語
知っておけば働く際に役立つこと間違いなし!
先輩介護職員も知らない医療・介護用語を知ってびっくりさせましょう。
介護現場で役立つ介護用語集
介護職としてはたらく上で知っておくべき介護用語について紹介します。
ここで紹介するのは一部になりますが、絶対に知っておくべき用語です!
介護施設に関する用語
- 特別養護老人ホーム(特養)
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在宅生活が困難になった要介護3以上(場合によっては要介護1や2でも可能)の高齢者が入居対象の介護施設。有料老人ホームに比べ低価格で利用できますが、入居までに時間がかかることが多い。
- 有料老人ホーム
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高齢者が入居し、食事や家事援助などのサービスを利用しながら生活する介護施設です。『介護付き』『住宅型』『健康型』の3タイプに別れています。値段はピンからキリまでありますが、比較的高額になりやすい。
- 介護老人保健施設(老健)
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退院後、すぐに在宅復帰が困難な高齢者が利用されることが多く、リハビリをする介護施設です。介護や看護の他、医師によるサポートなども受けることができます。
- サービス付き高齢者住宅(サ高住)
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バリアフリー対応の賃貸住宅です。入居する方は自由度が高く、普通の賃貸住宅のように過ごすことができる場合が多いです。介護が必要な場合は外部サービスを利用することになります。生活相談員が常駐しており、様々な生活支援を受けることができます。
- グループホーム
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認知症の高齢者を専門とした小規模の介護施設です。高齢者は最大9名のグループの中で共同に生活しており、地域密着型サービスに分類されています。
- デイサービス(通所介護)
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介護認定を受けた在宅で生活する高齢者が自宅での生活を続けていけるように、身体機能や認知機能の維持・向上を目指す介護施設です。他者との交流を通して社会的孤立感の解消や家族の負担軽減も図ります。
- デイケア(通所リハビリ)
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デイサービスと似ていますが、デイケアでは理学療法士等によるリハ職が常駐しており、専門的なリハビリを受けることができます。
他にもたくさんの介護施設がありますが、上記の施設がよく介護現場などで出てくる施設になります。
介護現場で働く職業名
- 介護福祉士
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介護士の国家資格。試験を受けることのできる条件も複数あり、取得しておきたい資格の1つ。介護現場では無資格の方に比べリーダー的な役割を担うことも多い。
- 介護支援専門員(ケアマネ)
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介護保険のサービスを利用するために必要な『ケアプラン』の作成を行います。利用者さんと事業所の間に入って調整役を行います。
- 生活相談員
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施設や事業所で相談業務や日程などの調整役を担います。家族やケアマネへの連絡業務など様々な仕事があります。職場によっては介護スタッフとして働くこともあります。相談員になるには所定の条件があります。
- PT・OT・ST
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理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のことであり、リハビリの専門職です。デイサービスなどでは機能訓練指導員として機能訓練をすることもあります。
- ソーシャルワーカー
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病気などで障害を持った方とその家族へ相談援助を行います。社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格の総称になります。病院等ではMSWとも呼ばれます。介護施設では生活相談員などを行います。
- 福祉用具専門相談員
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福祉用具に関するアドバイスを行う職種です。福祉用具選定時のアドバイスだけでなく、定期的なメンテナンスを行います。もし利用者さんの福祉用具に不具合が生じた際にはお世話になるかもしれませんね。
- 機能訓練指導員
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デイサービスなどで利用者に対して機能訓練を行う職種です。機能訓練指導員になるにはPT・OT・ST、看護・准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ師、鍼灸師などの国家資格が必要になっています。
- 看護師
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介護施設に勤務する看護師の仕事は、利用者さんの健康管理や薬の管理などです。介護職が日常生活のサポートをするのに対し、医療や看護の立場から利用者さんをサポートします。場合によっては機能訓練指導員との兼務もありえます。
介護職として働くなかで、接する機会が多い職種になります。
この職種を覚えておけばとりあえずOK!
実践や介護記録の作成で役立つ用語
- ADL
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日常生活動作と呼ばれ、生活を送るために必要な基本動作を表す。『身の回り動作』『移動動作』『生活関連動作』の3種類に分類されます。
- QOL
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『人生の質』『生活の質』などと訳される。生きる上での満足度をあらわす指標の1つ。
- バーセルインデックス(BI)
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日常生活に必要な動作を10種類に分類してそれぞれできる能力により点数化する指標。100点満点であるが、100点だからといって自立というわけではない!『できるADL』を評価する。
- FIM
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利用者様のADLの介護量を測定することができ、ADL評価の中で最も信頼性と妥当性があるといわれている。運動項目と認知項目の計18項目で、各項目を1点〜7点の7段階で評価し、満点は126点。『しているADL』を評価している。
- トランスファー(移乗)
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ベッドや車椅子、便座などに乗り移ること。介護現場ではよく行われる動作の1つ。
- 一般浴・機械浴
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一般浴は手すりなどを用いて歩ける方が対象の共同浴場。機械浴は寝たままや座ったまま入れる浴槽であり、介助量が大きい人が対象。
- 清拭
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病気やケガなどで入浴ができない場合に蒸しタオル等で身体を拭くこと。全身を拭く『全身清拭』と身体の一部を拭く『部分清拭』があります。
- 患側・健側
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患側は怪我や麻痺がある上下肢。健側は怪我や麻痺がある側と反対側。
- 側臥位
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一側の上下肢を下にして寝ている状態。
- 背臥位
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仰向けに寝ている状態。いわゆる背中がベッド側にある状態ですね。
- 腹臥位
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うつ伏せ(下向き)に寝ている状態。
- ケアプラン
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介護サービスを受けるために必要な介護計画書。通常はケアマネジャーが作成する。
- アセスメント
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介護サービスを利用する利用者さんの課題分析を行い、何を求めているのかを正しく知るための評価や査定のこと
- カンファレンス
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介護の現場でよりよい介護・介助を提供するために、関係者が集まり、情報の共有や認識のすり合わせなどを行います。
- サービス担当者会議
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介護保険のサービスを利用するにあたり、関係する介護事業所が集まって利用者さんのサービス内容を話し合う。定期的に介護サービスが適正に提供されているか、見直しを行います。各地域によって略称は様々。
- 介護認定調査会
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認定調査員の聞き取り調査や主治医意見書などの1次判定の結果をもとに要介護度を審査・判定する機関
- 地域包括支援センター
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介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える『総合相談窓口』です。各市町村が設置主体であり、自治体から委託され運営しているケースもあります。多くは各学区に1つ設置されます。
- 介護認定
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介護保険は基本的には65歳以上の高齢者が利用できます(2号被保険者は40歳から)。介護度には『自立』『要支援』『要介護』の3種類があります。
- 傾眠
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意識障害(意識混濁)の程度の1つ。周囲からの刺激があれば覚醒するが、すぐに意識が混濁する状態を指す。ただ眠たそうな状態だけではない。
知っているようで内容までは知らない用語もありますよね。
知っておくだけで現場で使えるのでぜひ覚えて下さい!
介護職が知っておくべき現場で使える医療用語集
介護現場では、介護用語以外に医療用語も頻繁に使用されます。利用者さんとのお話にも病気の名前や検査のことなど出てくるので、ぜひ覚えておきましょう!
- インスリン
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血糖値を一定に保つために膵臓から分泌されるホルモンです。糖尿病に深く関係しており、糖尿病の治療としてインスリン注射があります。
- 悪寒
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発熱の初期に起こります。風邪やウイルス感染症の場合に起こる症状の1つです。
- 運動器疾患
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骨折や脊髄損傷など整形外科的な疾患の総称です。
- 嘔吐
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胃の中の概要物が外に吐き出された状態。介護記録の記載にもよく用いられる。
- 喀痰吸引
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介護現場でよく行われる医療ケアです。痰や唾液を吸引します。以前は看護師が行っていましたが、2015年から喀痰吸引等研修を修了した介護職員も実施できるようになりました。
- 経管栄養(胃ろうなど)
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チューブやカテーテルを用いて胃や腸に直接栄養を注入する医療的ケアです。『胃ろう』『腸ろう』『経鼻経管栄養』などがあります。
- 血糖値測定
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インスリン注射を行う際に事前に測定器によって血糖値の測定を行います。介護スタッフにはインスリン注射のサポートとして使用する器具の準備や声掛け、数値のチェックが認められています。
- 見当識障害
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時間や場所、人物が分からなくなる認知症の中核症状の1つです。アルツハイマー型の認知症では初期からみられます。時間→場所→人物の順で進行していきます。
- 痙縮
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脳血管疾患で見られる症状の1つ。筋肉が過度に緊張し手足が動きにくかったり、勝手に動いてしまう状態のこと。
- 誤嚥性肺炎
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食べ物や唾液を気道内に誤嚥することで発症する肺炎。飲み込む機能が低下した高齢者に起こりやすく、70歳以上の肺炎の訳80%が護衛性肺炎と言われている。
- 失語症
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『聞く』『話す』『読む』『書く』といった言語機能にかかわる分野に障害が起こる病気。原因の多くは脳血管疾患によるものです。
- 褥瘡
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床ずれともいわれています。長時間の寝たきりにより血流が滞ることや低栄養などが原因で皮膚がただれてたりすること。仙骨部や踵で生じやすい。
- 人工肛門
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オストメイトとも呼ばれます。手術によって作られた便の排出口。排出物は装着したパウチに溜まるため、定期的な交換・管理が必要です。平成23年より介護スタッフもパウチの交換が可能となりました。
- せん妄
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高齢者に起こりやすい意識障害の1つ。場所や時間が分からないなどの見当識障害や物忘れの症状がみられます。過度なストレスや環境の変化が原因になると考えれれています。
- チアノーゼ
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肺や心臓の機能不全による循環障害により、唇・まぶた・手足の爪など皮膚が紫色など暗青色になること。
- 摘便
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自然排便ができない場合に、肛門に指を挿入して直接便を排出する医療ケア。介護現場では看護師が行います。
- 脳血管疾患
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脳梗塞や脳出血など脳機能の影響による病気こと。
- バルーン
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尿道から膀胱に管を挿入し、尿を排出する方法。排尿障害があったり、寝たきりでトイレに行くことが困難な場合に使用されます。医療的ケアのため、介護現場では看護師が対応します。
- バイタルサイン
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生命の徴候。脈拍・心拍・呼吸・体温・血圧・意識など。
- 認知症
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『アルツハイマー型認知症』『レビー小体型認知症』『脳血管性認知症』が三大認知症として知られている。記憶力だけでなく理解力や判断力が低下し、日常生活に支障がでます。
- 徘徊
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屋内や屋外を歩き回る認知症の症状の1つ。自分の居場所や時間が分からなくなる見当識障害や記憶障害が原因と考えられる。
- 浮腫
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皮下組織の下に水がたまった状態。『ふしゅ』や『むくみ』と呼ばれます。高齢者の場合には臓器の機能低下や疾患が原因として考えれれます。介護スタッフが確認するべき大事な身体徴候。
- ろう便
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認知症の進行によって起こる症状の1つ。自分の便をいじったり、身体や寝具、壁などに便をすりつけてしまう行動があります。
難しい用語もあるのですべてを完全に覚える必要はありません。分からない時に調べて理解すれば大丈夫!
このページをブックマークしておけば安心ですよ。
介護職が知っていればすごい医療・介護用語
これまでは、介護現場では絶対に覚えておきたい用語を説明しましたが、これから紹介するものは知っておくと「すごい」と思われる用語になります!
- パーキンソニズム
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振戦・筋強剛・動作緩慢・姿勢反射障害などのパーキンソン病に類似した症状を呈する病態のこと。
- 仮面様顔貌
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パーキンソン病の3大兆候の1つ。無表情となり、瞬きがなく一点を見つめるような顔つき。
- 不随意運動
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意思に基づかない不合理な運動。
- 振戦
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意思とは無関係に筋肉の収縮や弛緩が繰り返し起こる、リズミカルな運動。
- 固縮・筋強剛
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身体の筋肉が持続的に強くこわばる状態。
- ROM
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Range Of Motionの略。関節可動域のこと。『アールオーエム』と読みます。たまに『ロム』と読む人もいますが、恥ずかしいので言わないようにしましょう。。。
- 徐脈
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脈拍が50回/分未満の心拍数のこと。
- アネミー
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貧血のこと。頭痛や動悸・息切れなど様々な症状が起こる。
- 疼痛(ペイン)
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痛みのこと。よくペインという言葉を使う医療職がいる。
- ムーンフェイス
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満月様顔貌。ステロイドによる副作用で、体重増加に伴う顔が丸くなる状態。
- 内反尖足
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足首が伸びて足底が内側に向いている状態。
- ダンデム歩行
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つぎあし歩行。一側のつま先に反対側の踵をつけながら一直線に歩く。バランス練習で用いられることが多い。
- HbA1c
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ヘモグロビンエーワンシーと呼ばれる。およそ4〜8週間の血糖のコントロール状態を反映する。糖代謝の診断に有効。
- SPO2(動脈血酸素分圧)
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動脈血酸素飽和濃度を測定した値。
- シャント
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血液が本来通るべき血管とは別のルートを流れる状態。
- ステント
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血管や機関、消化管等を管腔の内側から広げる医療機械。狭窄した血管や気管の拡張に用いられる。
- MT(ムンテラ)
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病状説明のこと
- サルコペニア
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加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の『筋力低下が起こること』。または歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、『身体機能の低下が起こること』
- フレイル
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『加齢により心身が老い衰えた状態』のこと。フレイルは早く介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性がある。高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があります。
- 血清アルブミン値
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重要な栄養状態の指標。血液中のタンパク質の一種で、総たんぱくの約6割を占め、栄養・代謝物質の運搬、浸透圧の維持などの働きを行います。
実際の介護現場で聞いたことがある言葉もあるのではないでしょうか。
ここで紹介した用語は知らない人も多いので、もし知っていれば一目置かれるかも!
結論:用語を知っておくことで仕事もスムーズになる
実際に介護現場で働くと知らない用語が使われることがありますよね。
介護用語は専門用語なので、一般の生活では使わないため、教えてもらうか自分自身で調べるしかありません。
用語を知っておくことで、職員同士の情報交換やサマリーなどの情報を知ることで利用者さんに対する介助をおこないやすくなります。
より良い介護を提供するためには、『介護用語』を使いこなし、日々の記録をつける際に利用することで情報交換がスムーズになります!